夏はぼくを焦らせる。
照りつける日差しと熱風。
渇いて干からびていく身体。
いくら水分でのどを潤しても消えやしない。
渇望。
夏がこんなに嫌いなのは。
夏がこんなに嫌いなのは。
置いてきぼりにしてきたあの日から。
ぼくが一歩も進めていないからだ。
きっといつまでも埋められない何かを。
探し続けて続いていく。
正しいか正しくないか。
それはまだわからない。
道の途中で。
ぼくはぼくの失った何かを。
ずっと探し続けて続いていく。
夏はぼくを焦らせる。
揺れる陽炎。
逃げ水を追っていく道路。
青臭いぼくにうんざりする。
夏、焦燥。
2020.8.16
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