きらきらひかった
暗い部屋の外を見ていた
きらきらひかった
レースのカーテンに、もやがかかった
きっといつの日にか、この場所からも旅立たなきゃいけないって
そう思いながらも夢を見て、あの日の影を思い出してた
きらりとひかった
その雫にわたしの夏は終わった
置いてけぼりのまま劣化していく
いつからだった大事なものは、この手の中から消え失せてしまった
いつからだった大事なものは、またひとつ、もうひとつ、この手に増えた
どうなるのかなんて、そんなことは
想像することすら、おこがましくて
ただ日々を紡いでた
強い光はまぶしくって手をかざしてみても
突き抜けてわたしの胸を刺す
わかってる、わかってるって
納得したふりをしながら足踏みした
こぼれ落ちる雫
窓を開けたら、まだ残っていた熱気が同化した
カーテンを揺らす風が、火照りを冷ました
こぼれ落ちる雫
一歩踏み出そう
景気が付いて歩き出せたら、また歩いていける
行きたい場所にだって、きっと行ける
いつだって光の、その先に
行きたい、その先に
きらりとひかった
その雫にわたしの夏は終わった
2020.9.7
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